くっ、と笑いがこみ上げた。
 だけど、売ってるものでミネラルウォーターしか飲めないっていうのもまた難儀な話だ。
 それを知っていて、かばんにミネラルウォーターを常備してるっていうのもどうかと思うけど。
 やっぱ、愛だよね、愛――。
 そのくらいに大切なんだろうな。
 不器用でそういう方面はさっぱりなやつだけど、すごく微笑ましいと思ったのは俺だけじゃないはず。
 久先輩なんてずっとにこにこしているし、優太と嵐子ちゃんは見つめ合ってにっこり。
 中等部から生徒会をやっているとはいえ、ここまで俺たちと関わるようになったのはつい最近のこと。
 関わるというより、表情を変えるようになっただけで俺たちが近寄りやすくなったというだけの話。
 正直、彼女の存在はそれだけ大きいわけだ。