光のもとでⅠ

 そんなわけで、俺は面白いものを見させてもらっているけれど……。
 俺からしてみたら司も翠葉ちゃんと同じだ。
 なかなか自分のことは話してくれない。
 お家柄上、話せないこともあるだろう。
 けれど、恋愛相談はできるんじゃないの?
 なぁ、俺と恋バナしてみない?
 成績じゃ負けるけど、こういうのは俺のほうが長けてると思うよ。

 司に思いを馳せているうちに、話の内容は紅葉祭へと移っていた。
 なんというか、今年は大掛かりなことをやるけれど、企画自体を海斗と佐野くんが一手に引き受けてくれるから――あぁ、間違えた……。
 ふたりに押し付けたから意外と楽。
 そして、持ち込まれた企画というのも意外と面白そうで、予算をつぎ込むのにはもってこいな策だった。