「中学のとき彼女いた?」
「……嵐子さん、なんで今さら?」
「……なんとなく?」
「……いたよ」
「えええええっ!?」
「いましたとも……」
 そう言って苦笑する。
「だから言ったじゃん。心変わりは仕方ないとして浮気はダメって」
「……そういう意味だったのっ!? 私だけに言った言葉かと思ってた」
「嵐子は好きなやつがいるって言ってたけど、それは彼氏じゃなかったわけ?」
「うん、私の片思い」
「そっか……。俺は彼女いたんだよね。でも、嵐子と過ごす時間のほうが楽しかったし、気づいたら嵐子とばっかりいたからさ。ほとんど図書館が塾だったけど」
 笑って言うけどさ、優太……。