光のもとでⅠ

「くっ、眉がハの字型」
　恥ずかしくて眉を押さえる。
　一緒にいられたらそれだけで嬉しいはずなのに、声を聞けたら、お話ができたらそれだけで嬉しいはずなのに。なのに、困るんだもの……。
「……泣いちゃうくらいならさ、俺のところにくればいいのに」
「……まだ泣いてないですっ」
「でも、目からは零れそうだよ」
「っそれは……」
「……困らせたいわけじゃないんだけどな。体、起こせる？　無理そうならそのまま横になってて」
　と、秋斗さんはこちら側に回ってきた。
　なんとなくわかってはいる。それでも、ゆっくりと体を起こしてみる。
　ゆっくりゆっくり、手をソファについて体を支えるようにして――。
　ほんの少し頭の位置が心臓よりも上になるだけで血の気が引く。目の前は真っ暗だ。
　だめだ――。
「無理はしないほうがいいよ」
　と、体を支えていた手を取られ横にされた途端に涙が零れる。
　洗ってもらったばかりの髪の毛で顔を隠すと、その髪を耳にかけられハンカチで涙を拭かれた。