「そういえば、飛鳥ちゃん、時間大丈夫なの?」
 香乃が準備室の時計に目をやる。
「うっわっっっ、まずっ、行かなくちゃっ!」
 慌てて立ち上がり、お弁当箱をかばんに突っ込む。
「飛鳥ちゃん、また恋バナしよう!」
「香乃、希和、話聞いてくれてありがとう!」
 勢いよく美術部のドアを開ければそこには先輩方がずらり――。
「し、失礼しましたっ!」
 時刻はぴったり一時。
 部活が始まる時間だったのだ。