光のもとでⅠ

「ん、ここのところちょっと根つめて描いてる作品があるから、それでかなぁ……」
「腱鞘炎、甘く見ないほうがいいよ」
 佐野は自分が持っている貼り薬をペタリと貼って、きれいにテーピングまで施してくれたらしい。
「途中で様子見に行きたかったんだけど、集計に時間かかって行けなかったんだよなぁ。球技大会終わっちゃったから注意にもなんにもならなかったけどさ、その手だったら球技大会出るべきじゃなかったと思うよ」
 真正面から真っ直ぐに言われたそうだ。
 想像できなくもない。
 なんだかんだと佐野は真面目で面倒見がいい。
「メンバーには補欠がいるし、球技大会なら替えがきく。でも、自分の腕の替えはないよ」
 なんだかとっても佐野らしい一言だ。