「え……? 室温湿度計でどんな流行があるの?」
「たとえば、今の湿度は何度くらいとか、気温は何度とか、あまり大差ない数字の中でいかにそれを体感のみで当てるかっていうゲーム?」
 希和、それは人間業じゃない気がする。
「ん~……」
 香乃が目を瞑って唸りだし、
「今は二十八度に六十パーセントなうっ!」
 身近にあった室温湿度計を見ればピタリと当たっているから怖い。
「ふふふ、夏休み、ほとんど毎日のように通っていた香乃子さんを甘く見ちゃなんねぇっすよ、おねぃさんっ!」
 急に香乃の口調が変わるから、思わず吹いた。