佐野は外部生だから知らない。
 うちの学校において、風紀委員がどのような権限を持っているのか。
 どのような仕事が割り振られているのか。
 委員会を決めるとき、なぜ一番最初がクラス委員の選出で、その次が風紀委員なのか。
「少し探りを入れなくちゃ……」
「そうだな」
 佐野だけが要領を得ない顔をしていた。
 でも、そのうちわかるわ。
 今はまだ紅葉祭の悪巧みのほうに全力投球しておいてくれるかしら。
 佐野の思考のみ置き去りにして、三人職員室へ向かって歩きだした。