「今学期は最大のイベント、紅葉祭があります。日程は十月三十日三十一日の土日。その紅葉祭の実行委員を男女ひとりずつ選出したいと思います」
 私が司会進行を買って出ると、佐野が後ろで黒板にお題を記し始めた。
「まず、毎度のことながら、生徒会役員とクラス委員は対象外となります。立候補者はいますか?」
 いつものように教室全体を見回すも、珍しく誰の手も上がらない。
 おかしいわね。
 紅葉祭の実行委員はかなり人気があるはずだけれど……。
 それに加えてうちのクラスは文化部の人間は少ないはず。
 推薦を募ろうとしたとき、
「はいっ!」
 と、声があがった。