二学期の始業式は夏休みにあった数々の試合やコンクールの表彰があるから非常に長い。
 長すぎる……。
 きっと翠葉は途中で具合が悪くなってしまうだろう。
 けれども、翠葉の前には海斗がいるし、後ろには私がいる。
 もし急に倒れたとしても、頭をかばうことくらいはできるだろう。
 そう思っていた。
 でも、そんな心配はなく、翠葉は自分から私に声をかけてきた。
「血圧が下がるから列から外れるね」
 ステージを振り返り、少し残念そうな顔をする。
 それはそうだろう。
 これから佐野と藤宮司の表彰が始まるのだから。