あのあと少し眠っていたみたい。
 今は栞さんに髪の毛を洗おうと起こされた。
 部屋にはすでに簡易型のシャワー台が運び込まれていて、ベッドの上で横になっていればいいだけだった。
「首、苦しくない? 大丈夫?」
「大丈夫です」
 栞さんは生え際から丁寧にお湯で流してくれ、丁寧にシャンプーをしてくれた。地肌をマッサージするように洗ってくれて気持ちがいい。シャンプーやトリートメントの香りを深く吸い込む。
「気持ちいい?」
「はい、とても……」
「良かった」
 長い髪の毛を洗うのは骨が折れるだろう。でも、文句も何も言わずに洗ってくれる。
 ……やっぱり髪の毛は少し切ろうかな。
 そんなことを考えていると、すっきりとトリートメントを流してくれた。
 髪の毛を洗い終わると体を拭いてくれる。そして新しいルームウェアに着替えた。
 最後に髪の毛をドライヤーで乾かしてくれる。
 横になったままだから乾かしづらかったと思う。それでも、きちんときれいに乾かしてくれた。