光のもとでⅠ

 そんな先輩を前に、翠葉は意を決したように姿勢を正す。
「自分の歩く振動には耐えられるようになったんですけど、人とぶつかるのとか、肩を叩かれるのは少しつらくて……」
「そっか。じゃ、気をつけないとね? あとで図書室に集ったらみんなに言いなよ?」
 嵐子先輩はこれで終わりではないことを示唆してくれた。
「それと、俺たち、もうちょっと仲良くならない?」
 優太先輩が距離を取って話しかけると、翠葉は不思議そうに優太先輩を見上げた。
 しばらくは優太先輩をじっと見ていたのだけど、振り返って私を藤宮司を交互に見る。
 即ち、SOSだろう。
 さて、なんと答えようか。
 そして、この男はなんと答えるのだろうか。
 そんな逡巡をする間もなく、
「司の呼び名は昇格で、俺たちはいつまでも苗字に先輩付け?」
 この場にはいなかった朝陽先輩の声が割り込んだ。
 辺りをを見回すと、柱の影に隠れて立っていた朝陽先輩が姿を現した。
 盗み聞きなんて趣味の悪い……。
 翠葉も新たな声の主を見つけ、「朝陽先輩」と呟くように口にした。