光のもとでⅠ

「髪の毛切ったのね?」
 嵐子先輩が翠葉の髪に手を伸ばした。
 身構えるか、と思ったけれどそれはなかった。
 ま、今朝の飛鳥とは勢いが違うものね。
 でも、優太先輩の手が伸びてきたときには、明らかに身体が硬直させ。
 なんの差……?
 翠葉が身を引くより先に藤宮司が動いた。
「優太、触らないでやって」
 ほら、こんなこと、ほかの女子には絶対にしないでしょう?
「言っておいたほうがいいんじゃないの? じゃないと簾条みたいなことになりかねないけど」
 言葉は素っ気無い。
 でも、言っていることは間違っていないし、翠葉を思えばのこその忠告だろう。
 あんた、体温あるんでしょうね?
 どうしてそんな涼しそうな顔をしていられるんだか……。