当時、私に子どもはいなかったし、二十代前半の私にはなんの知識もなかった。
今なら、モンテッソーリ教育なども知っているけれど、それはあくまでも「今」の私であり、あのときはなんの助言もできなかったのだ。
だって、当時は助言も何も、私にとっての碧さんが憧れの対象だったのだから。
それを思えば、碧さんが私に話せなかったことなど当たり前のように思える。
「翠葉はね、鬱状態の私のことも覚えているのよ。最初はわからなかったと思うの。でもね、いつからか、私たちに具合が悪いことをあまり言わなくなったの。それは、私が通っていた病院がメンタルクリニックだとわかってからだと思う。自分が私の精神状態を悪くしたと思っちゃったのよ」
……それは間違ってはいないだろう。
でも、あまりにもつらすぎる……。
「いくら違うといっても、『大丈夫。私は勘違いなんてしてないよ? 元気なお母さんが大好き』。それしか言わない。……本当にそれしか言わない子だったの。具合が悪そうなのを察して声をかけても、『大丈夫』と笑顔で答える子になってしまった」
今なら、モンテッソーリ教育なども知っているけれど、それはあくまでも「今」の私であり、あのときはなんの助言もできなかったのだ。
だって、当時は助言も何も、私にとっての碧さんが憧れの対象だったのだから。
それを思えば、碧さんが私に話せなかったことなど当たり前のように思える。
「翠葉はね、鬱状態の私のことも覚えているのよ。最初はわからなかったと思うの。でもね、いつからか、私たちに具合が悪いことをあまり言わなくなったの。それは、私が通っていた病院がメンタルクリニックだとわかってからだと思う。自分が私の精神状態を悪くしたと思っちゃったのよ」
……それは間違ってはいないだろう。
でも、あまりにもつらすぎる……。
「いくら違うといっても、『大丈夫。私は勘違いなんてしてないよ? 元気なお母さんが大好き』。それしか言わない。……本当にそれしか言わない子だったの。具合が悪そうなのを察して声をかけても、『大丈夫』と笑顔で答える子になってしまった」


