「翠葉が生まれたときはなんともない普通の子だと思っていた。でも、幼稚園に上がった頃からほかの子とは違うことに気づいたの。幼稚園へ行かせても午後まで体力が持たないことが多かったのよ。幼稚園から呼び出しの電話があって、迎えに行くといつも擁護室で横になっていたわ。幼稚園へ上がった途端、風邪で熱を出すことが多くなって、もしかしたら少し身体が弱いのかもしれないと思った。でも、成長に伴い元気に育ってくれることを願っていたわ。けど、それは小学校へ上がっても何も変わらなかった。不定愁訴と呼ばれる体調不良が続いて、近所の病院へ連れていくと『自律神経失調症ですね。この頃の子どもにはよくあることですよ』って言われたわ。その後、身体に痛みが出ると訴え始めた。でも、どんなに大きな病院で検査をしても異常は認められず、成長痛と言われ続けた。中学に上がってからは精神科に回されるとが増えた。……痛みが出始めたのは小学四年生くらいだったけど、静に藤宮病院を紹介してもらうまでの五年間は地獄だった……。どれだけ痛がる娘を病院へ連れていっても何も処置をしてもらえなかったから」
そう言って涙を零した。
そう言って涙を零した。


