ヒデから聞いて、今日、翠葉ちゃんたちがゲストルームへ戻ってくることは知っていた。
 翠葉ちゃんのことは心配だったし、あの日以来、碧さんと話をしていないことも気になってはいた。
 今日はゲストルームに家族が揃うのだろう……。
 翠葉ちゃんの顔を見て安心したいと思った。
 本当はお見舞いにも行きたいと思っていたけれど、碧さんにあんなことを言ってしまった手前、どうしても行くことができなかった。
 私は――。
 時間が経った今でも、間違ったことを言ったとは思っていない。
 子どもが病気で人の手が必要なとき、親が仕事をしていていいわけがない。
 私は何度も流産をしてやっと拓斗を授かることができたから――無事に生まれてきてくれたとき、自分以上に大切にしようと思った。