光のもとでⅠ

「なぁ、俺、諦めたつもりではいたけど、ちびっとブロークンハートなんだけど」
 千里、それは理由知らずに誕生席に座らされた人間が言う言葉だ……。
「でも、この流れだと……」
 佐野がプリントに目を移す。
「姫は里見先輩と御園生ですよね? 藤宮先輩を嵌めるっていうのには大いに賛成なんですけど、御園生は大丈夫かなぁ……」
「そっちは私たちでフォローするわ」
 桃華が言い切った。
「もっと――翠葉にはもっと学校を楽しいと思ってもらいたいし、行事にだって率先して参加してもらいたい。楽しくて仕方のない場所にしたいの」
 桃華、それはさ、俺ら――一年B組の人間はみんな同じように思ってるよ。
 そのための努力なら、誰も惜しまない。
「そうだな……まずは引っ張り込まないとな」
 言ったのは佐野だった。