「桃華、翠葉は大丈夫なのか?」
「体調的には徐々に復調しつつあるみたい。気持ちの面は一時ひどい状態だったみだいだけれど、今は落ち着いてるって。それが一重に藤宮司の支えの賜物っぽいのよね」
 微妙な顔しやがりますね……。
 桃華は頼られたのが自分ではなく司であることが面白くないのだろう。
「なるほどね……翠葉はもともと司に気を許してる部分があったけど、それがもちっと進んだ感じなわけだ」
 なら、問題ないかな。
「いいよ、司にステージで告白ソング歌わせましょう?」
 にんまりと笑うと、その場の人間が揃って悪代官の顔つきになった。
 やっべ……俺も基本的にはこういう悪巧み大好きなんだ。