光のもとでⅠ

「アルバムを見せると、ところどころは覚えているようでした。でも、お誕生会兼生徒会就任式はずっと藤宮司が翠葉の側についていたから、全体の九十パーセントも覚えていませんでした」
 俺、んなこと知らされてねぇし……。
「今は? ……今、翠葉って――」
 嵐子先輩の声が震える。
「二学期前には退院する予定です。夏休み中に有効な治療法が見つかったみたいで、なんとか二学期には間に合うようにって調整しているところです」
「……桃、もっと早くに言ってくれたら良かったのに。そしたら私、お見舞いに行ったわ」
 茜先輩が眉根を寄せて泣きそうな顔になる。
「すみません……。私も一度行ったきりで、とてもお見舞いに来た人と会える状態じゃないって蒼樹さんが言っていたので……。でも、そんな中でもあの男だけは毎日のように顔を出していたんですって」
 最後は面白くなさそうに口にした。