「ふふ、そういう名目だけど、私にとっては最後の紅葉祭だもの。それに、このメンバー最後の仕事だわ。なのに、全部に加担できないなんて不公平だと思わない?」
 何と比べて不公平なのだろうか、と思いつつ、こんなとき、たいてい企てが画策されているんだよな、と心構えをする。
「海斗、見てわかるとおり、今年は歌に決まったんだ。そこでさ――」
 朝陽先輩の言葉を遮る形で俺は声を発した。
「ちょっとたんまっっっ! ねぇっ!? それっ、誰が司に言うわけっ!? しかも、絶対にやらせなくちゃいけないんでしょっ!?」
 その役目、俺に振ろうとシテマセンカ……?
「ご名答~!」
 優太先輩が楽しそうな声をあげ、
「で、どうして海斗がお誕生席に座っているかのご理解はいただけたかな?」
 楽しげに嵐子先輩が腕を首に絡めてきた。