「海斗、プレゼントして?」
 そうかわいらしくじゃれついてくるのは茜先輩だった。
 ふわふわしていてバニラエッセンスみたいな甘い香りがする。
 男なら、この人のお願いを断るなんてことはできないだろう。
 しかも、俺のフェミニストは秋兄仕込みなんだよっ!
「はああああ……今度は何やらかすんですか?」
「そうこなくっちゃ!」
 嵐子先輩に渡されたのは一枚のプリント用紙。
 それに目を通し始めると、
「俺も茜も紅葉祭が最後の仕事だからね」
 と、久先輩が口にする。
「あぁ、紅葉祭の恒例行事ですね」
 プリントにはこう書かれていた。