ツカサの手はあたたかいから……。
 そのぬくもりで心まであたためてもらった気分だ。
「……それ、忘れるなよ」
「……うん、忘れない」
 すごく怖かったけど、すごく嬉しかったから……。
「絶対に忘れない――」

 病院を目前に訊かれる。
「で? 毎日アイテムは何がいいのか答え聞いてないけど?」
 あ――。
「別に毎日じゃなくてもいいの。だから、今回みたいなとき、もし、またツカサが気づいたら、そしたら普通に話を聞いてほしい」
「それ、泣かせるなって言いたいわけ?」