光のもとでⅠ

 こちらを振り返ったかと思えば、足のスライドを生かして数歩で私の隣に並んだ。
「いい加減隣歩け」
「っ……」
「朝の会話をどれだけ大声で話させるつもりなんだ」
 呆れた顔で言われる。
「俺が朝に言ったこと、もう一度話すから、今度は忘れずにしっかり覚えておけ」
 それは無理っ――。
「さっき空太くんに聞いたからっ、だから大丈夫っっっ」
 もう一度ツカサの口から聞くのはダメージが大きすぎる。
「だいたいにして、なんで高崎が知ってるんだか……」
 舌打ちまでしっかりと聞こえてしまった。
 やっぱり機嫌は悪いのだ。