光のもとでⅠ

 病院には蒼兄が車で送ってくれるはずだった。
 朝の時点で蒼兄は変更になったとは言っていなかったから、たぶんそのあと――。
 ツカサが蒼兄に電話かメールをしたのだろう。
 私は相変わらずツカサの背中を見ながら歩いていた。
 自分からは隣に並ぶ勇気がなくて。
 なんで――ツカサの考えていることがわからない。
 朝は、「うざったい」「ふざけるな」という感じで全く近寄れる雰囲気ではなかったのに、今はこうして目の前にいる。
 間が開き過ぎないように、近寄りすぎないように――。
 そうやって歩いていると、前を歩くツカサが突然止まった。
 すると、自動的に私の足も止まる。
 ツカサは後ろ姿でもわかるくらい大きなため息をついた。