かばんを手渡すことのできる距離に動揺する。
動揺よりも緊張、かな……。
「体調は?」
すぐ近くから聞こえる声。
何度も聞いた声で、何度も訊かれたことのある問いかけ。
なのに私は、「大丈夫」と答えて失敗する。
「やりなおし」
間髪容れずに訂正を求められた。
「……微熱があるけど大丈夫」
要約しすぎって怒られるかと思ったけれど、そんなことはなかった。
「本当はバスに乗せたいところだけど、バスじゃゆっくり話しなんてできそうにないから歩くよ」
そう言って、ツカサは桜香苑に続く道へと進路を変える。
動揺よりも緊張、かな……。
「体調は?」
すぐ近くから聞こえる声。
何度も聞いた声で、何度も訊かれたことのある問いかけ。
なのに私は、「大丈夫」と答えて失敗する。
「やりなおし」
間髪容れずに訂正を求められた。
「……微熱があるけど大丈夫」
要約しすぎって怒られるかと思ったけれど、そんなことはなかった。
「本当はバスに乗せたいところだけど、バスじゃゆっくり話しなんてできそうにないから歩くよ」
そう言って、ツカサは桜香苑に続く道へと進路を変える。


