「……体調、今のうちに立て直さないといけないのわかってる。でも、それができないのは――もちろん楽しいからっていうのもあるけれど、それ以外の理由もあって……」
 蒼兄は何も言わずに聞いてくれていた。
「今は生徒会っていう場所があって、自分にも何かしらできることがある。でも、もし体調不良で自分がそこを離れなくちゃいけなくなったとして、誰かに迷惑をかけることも怖いけど、それ以上に自分がいなくてもどうにかなっちゃうことが怖い。……自分の居場所がなくなってしまいそうで、自分がいてもいなくても何も変わらないことを思い知るのが怖い。クラスも同じ……。自分ひとりがいなくても何も変わらないことがわかるのが怖い。それに、人と別行動を取ることでひとり置いていかれるのが怖い。また……誰とも話せなくなる日が来るのが怖い。――中学のときとは違うってわかってるの。わかってるけどっ――それでも学校を休んだ次の日に教室のドアを開けるのが怖くて仕方ないっっっ」
 息継ぎもままらなないくらい一気に話した。