「怖いよ――」
「……翠葉?」
 だって……。
「ツカサみたいにみんなが気づいているのだとしたら、すごく怖い……」
 みんなが大好きなのは嘘じゃない。
 でも、その好きな人たちが離れていってしまうことが怖くて、いつも心の隅で怯えている自分がいる。
 そんな自分は知られたくなかった。
 信用していないわけじゃない、疑ってるわけでもない。
 わかっているのに――わかっていてもどうにもできないの……。
「なんの話か話せるか?」
 顔を覗きこまれて一瞬うろたえる。