光のもとでⅠ

「診察台と医師の間にはカーテンが設けられていて、診察の進行状況は随時声で知らされるけれど、内診されている状況が患者側から見えるわけじゃないわ。……といっても、やっぱり内科の診察とは雲泥の差よね」
 栞さんが肩を竦める。
「でもね、検査に異常がなければ、そのあとは投薬治療が開始されるだけで、受診するたびに内診を受けなくちゃいけないというわけではないの。そのあとは内科と同じで対面式の診察になるわ」
「診察台に上がるのは一度だけ……?」
「異常がなければね。翠葉ちゃんの年でもよくあるのが子宮内膜症。その場合は経過観察を見るために診察の度に内診が必要になるわ」
 手にしていたカップをサイドテーブルに置き、横になる。
 あたためなおされた湯たんぽを抱いて悶々としていた。