「あるよ」
「残念ながら、それがどこのホテルか、どんな状況か、そういうのは思い出せなくて……」
「そっか……。ホテルは藤倉にあるウィステリアホテル。その先は思い出すのを待とう?」
ずっとそのままになっていたカップとケトルに視線を戻し、秋斗さんがそれらを淹れ始めた。
「あ、ごめんなさいっ」
「いいよ。邪魔したのは俺だから」
にこりと笑う秋斗さんを見て思う。
何か、変わった――。
秋斗さんを包む空気が柔らかくなった気がする。
「秋斗さん、何かありましたか……?」
「……そうだな。覚悟した、ってところかな?」
「覚悟……?」
「残念ながら、それがどこのホテルか、どんな状況か、そういうのは思い出せなくて……」
「そっか……。ホテルは藤倉にあるウィステリアホテル。その先は思い出すのを待とう?」
ずっとそのままになっていたカップとケトルに視線を戻し、秋斗さんがそれらを淹れ始めた。
「あ、ごめんなさいっ」
「いいよ。邪魔したのは俺だから」
にこりと笑う秋斗さんを見て思う。
何か、変わった――。
秋斗さんを包む空気が柔らかくなった気がする。
「秋斗さん、何かありましたか……?」
「……そうだな。覚悟した、ってところかな?」
「覚悟……?」


