周りに外灯などがあるはずもなく、本当の暗闇の中で見る星空とはどんなだろう。
 そこに灯るランプやキャンドルは間違いなく幻想的な空間を作り出してくれるはずだ。
「ディナーは七時から。そのあと食休みしてから治療だっけ?」
「いえ、ご飯の前に治療することになりました。じゃないと、昇さんたちがお酒飲めないって」
「そっか……。翠葉ちゃんはいつも何時くらいに寝るのかな?」
「え……?」
「夕飯のあと、寝るまでの時間をここで過ごしたら?」
「……いいんですかっ!?」
「もちろん」
「嬉しいっ!」
「あ、でも……うるさそうな兄ふたりの承諾だけは得てきてね?」
「蒼兄と唯兄はきっとだめなんて言わないです」
 笑って答えると、
「それはどうかなぁ……」
 言いながら秋斗さんはランチボックスをテーブルに並べた。
「ハーブティーのパックもある。ストーブをつけてお湯を沸かそう」
「それっ、私がやりますっ」
「じゃ、お願いしようかな」