ベッドの近くまでくると、
「高崎葵です」
と、改めて自己紹介をしてくれる。
誰かに似てるな……。
思いながら、
「体起こせなくてすみません。妹の翠葉です」
高崎さんはパーマか癖っ毛なのか、クルンとした少し眺めの髪の毛を後ろできっちりとひとつに結んでいる。
肌の色は少し黒くて――誰に似ているんだろう……。
「蒼樹、俺の顔何かついてる?」
「あっ、ごめんなさいっ……。ただ、誰かに似てると思ったんですけど、誰なのか思い出せなくて……」
そう話すと、クスクスと笑いだした。
「弟、かな?」
「え……?」
「翠葉ちゃんのクラスに高崎空太っていませんか? それ、自分の弟です」
高崎空太くん――本当だっ! そっくり……。
「弟は覚えてもらえてるみたいで良かったです」
「クラスでは斜め前の席ですから――」
飛鳥ちゃんの前の席の男子で、海斗くんと同じテニス部の人。
すごく穏やかな人で、最近少しずつだけどお話ができるようになった人。
「あ、れ……? 私、高崎さんにお会いしたことがあるんですか?」
"弟は"というのはそういう意味なのだろうか。
「翠葉は覚えてないかもな。葵も陸上部で一緒にインハイに行ってるんだ。だから、俺が高校のときに一度だけ会ったことがあるんだよ。でも、あのとき翠葉は大泣きしてたからなぁ……」
「高崎葵です」
と、改めて自己紹介をしてくれる。
誰かに似てるな……。
思いながら、
「体起こせなくてすみません。妹の翠葉です」
高崎さんはパーマか癖っ毛なのか、クルンとした少し眺めの髪の毛を後ろできっちりとひとつに結んでいる。
肌の色は少し黒くて――誰に似ているんだろう……。
「蒼樹、俺の顔何かついてる?」
「あっ、ごめんなさいっ……。ただ、誰かに似てると思ったんですけど、誰なのか思い出せなくて……」
そう話すと、クスクスと笑いだした。
「弟、かな?」
「え……?」
「翠葉ちゃんのクラスに高崎空太っていませんか? それ、自分の弟です」
高崎空太くん――本当だっ! そっくり……。
「弟は覚えてもらえてるみたいで良かったです」
「クラスでは斜め前の席ですから――」
飛鳥ちゃんの前の席の男子で、海斗くんと同じテニス部の人。
すごく穏やかな人で、最近少しずつだけどお話ができるようになった人。
「あ、れ……? 私、高崎さんにお会いしたことがあるんですか?」
"弟は"というのはそういう意味なのだろうか。
「翠葉は覚えてないかもな。葵も陸上部で一緒にインハイに行ってるんだ。だから、俺が高校のときに一度だけ会ったことがあるんだよ。でも、あのとき翠葉は大泣きしてたからなぁ……」


