自宅へ着くまでに、だいぶ吐き気が楽になった。
サイドブレーキが引かれることで自宅に着いたのだと察する。
「私、先に入って家の中に風通してきちゃうわ」
「そしたら、翠葉の部屋の窓を開けてもらってもいいですか?」
「了解」
栞さんが車を降り、バタン、とドアが閉められた。
車を停めると、
「庭から部屋のベッドに運ぶから少しだけ我慢な」
言われて横抱きにされ、ベッドまで運んでもらった。
「大丈夫か?」
「ん……。蒼兄がぎっくり腰になったら私のせいだね」
「あー……でも、それ以上痩せるのはなしな?」
私と栞さん、蒼兄の笑い声がその場に響いた。
そこへ、お庭から男の人がこちらをうかがっていた。
「翠葉ちゃん、彼が高崎葵くんよ」
咄嗟に体を起こそうとしたら、蒼兄にペシッ、と額を叩かれ、
「挨拶はさせてやるから寝てろ」
と、怒られた。
今体を起こしたらどうなるのかなんて想像に易い。でも、"つい"ということはよくある。
そして、そのたびに怒られる。
「葵、悪いけどベランダから上がってもらえる?」
その人はどうしようかな、といった感じで栞さんに視線を送る。
「高崎くん、ここには崎本さんはいないから楽にして大丈夫よ」
その言葉を聞いて、
「お邪魔します……」
と、私の部屋へ上がった。
サイドブレーキが引かれることで自宅に着いたのだと察する。
「私、先に入って家の中に風通してきちゃうわ」
「そしたら、翠葉の部屋の窓を開けてもらってもいいですか?」
「了解」
栞さんが車を降り、バタン、とドアが閉められた。
車を停めると、
「庭から部屋のベッドに運ぶから少しだけ我慢な」
言われて横抱きにされ、ベッドまで運んでもらった。
「大丈夫か?」
「ん……。蒼兄がぎっくり腰になったら私のせいだね」
「あー……でも、それ以上痩せるのはなしな?」
私と栞さん、蒼兄の笑い声がその場に響いた。
そこへ、お庭から男の人がこちらをうかがっていた。
「翠葉ちゃん、彼が高崎葵くんよ」
咄嗟に体を起こそうとしたら、蒼兄にペシッ、と額を叩かれ、
「挨拶はさせてやるから寝てろ」
と、怒られた。
今体を起こしたらどうなるのかなんて想像に易い。でも、"つい"ということはよくある。
そして、そのたびに怒られる。
「葵、悪いけどベランダから上がってもらえる?」
その人はどうしようかな、といった感じで栞さんに視線を送る。
「高崎くん、ここには崎本さんはいないから楽にして大丈夫よ」
その言葉を聞いて、
「お邪魔します……」
と、私の部屋へ上がった。


