光のもとでⅠ

「翠葉ちゃん、どう?」
 ノックをしたのは秋斗さんだった。
「あ、大丈夫です。あの、病院まで運んでいただいてありがとうございます」
「いいえ、どうしたしまして。今日はもう帰っていいみたいだから送るよ」
 そこまで言われて、「あれ?」と思う。
 どうして秋斗さんのお迎えなんだろう……。
「蒼樹、今日は教授に捕まって大学の研究室で飲まされてるんだ」
 つまり運転ができない、ということだろうか。
「俺じゃ嫌かな? それなら、あと一時間もしたら楓があがる時間みたいだけど……」
 秋斗さんは、今も私と話すときは少し遠慮気味。
 その少しの緊張ですら、私に伝染してしまう。
「あ、えと……全然嫌じゃないです。お手数をおかけしてすみません」
 普通に話すってどうするんだっけ……。
「翠、秋兄とブライトネスパレスへ行ってきたら?」
「「え?」」
 私と秋斗さんが同時に声を発する。