「最近、普通に話せなくてごめんなさい」
 私が謝ると、
「それでいいって言ったのは俺だから」
「……本当はもっと普通に――夏休みに話していたみたいに話したいんだけど……」
「第三者が絡むとケンカ腰?」
 ツカサがふっと笑みを浮かべた。
 久しぶりに冷笑の類ではない笑顔を見られた気がした。
 図書室で話すときは、会話数こそ少なくても普通に話せていたと思う。
 そうできないのは、ツカサのことで女の子と話をしているときだけ。
 いつも嫌なタイミングでツカサが来るから。
「ツカサ……私、大丈夫だよ?」
「何が」
「ツカサや風紀委員の人が見張っていてくれなくても、たぶん大丈夫……。最初こそ、『呼び出し』かもしれない。でも、今では会えば挨拶をしてくれる人もいるのよ?」