時計を見れば、まだ六時半だ。
 学校では紅葉祭準備の作業をしている時間。
 だいたい七時くらいまで作業をして、七時から七時半にかけて校内に人が残っていないことを確認してから帰宅する。
 それが生徒会の仕事のひとつでもあるから。
「どうしているの……?」
「先に上がらせてもらった」
 ツカサはゆっくりと歩いてきてスツールに腰を下ろした。
 あぁ、久しぶりだ……。
 このアングルでツカサを見るのは。
 夏休み以来、かな。
「数日休んだら?」
 言いづらそうに言われて、思わず涙が零れた。
「また入院するのは嫌だろ?」
 ツカサは諭すように話す。
「私がいなくても困らないものね」
 とても顔を晒していられる状態ではなく、手の甲で顔を隠した。