「学校は休みたくないです……」
 紅葉祭前で忙しいときに休みたくない。
 みんなほど動けなくても、それでも少しは役に立てている。
 そんな感触を得られていた。
 私が抜けても小さな穴が開くだけで、すぐに誰かが埋めてくれるのかもしれない。
 でも、それじゃ嫌だよ。
 自分の居場所がなくなっちゃう――。
「そんな顔すんな。坊主とも何やらうまくいってないんだろ?」
 コクリと頷く。
 治療に来るたび、相馬先生にはずっと話を聞いてもらっていた。
「まずはそこから解決しとけ」
 先生はスツールを立つと、病室から出ていった。
 あの、先生……。今日はもう帰ってもいいのかな?
 思いながら病室の入り口を見ていると、思わぬ人物が入ってきた。
「……ツカサ」
 どうして……。