「頭が良くて、スポーツできて、格好良くて、そのうえ字まできれいって、どれだけ嫌みなんだろう、って思っただけ」
「…………」
「ツカサっっっ、墨が垂れるっっっ」
 咄嗟にツカサの右手を賞状の上からずらした。
「もうっ、急に固まらないでよっ」
「翠こそ、こっちが固まるようなことを急に言うな」
 それだけを言うと、再度賞状に向き直るのだった。