光のもとでⅠ

「ねぇ、翠葉。あれの機嫌なんとかならない?」
 嵐子先輩に耳打ちされる。
 嵐子先輩の反対側には優太先輩が来て、
「不機嫌モード炸裂で近寄ろうにも近づけないんだよね」
 ふたりは苦笑していた。
 私もツカサに視界を移し、
「……迷惑極まりないですよね」
 と、一言。
「翠、聞こえてるけど?」
「地獄耳」
 私とツカサのやり取りに、嵐子先輩と優太先輩がフリーズしてしまった。
「どうかしましたか?」
「いや、翠葉ちゃんって司に対しては結構ポンポン言うんだなって……」
「うんうん、私もちょっとびっくりした」
 それは夏休みの特訓効果、かな?