光のもとでⅠ

「私、体育をレポートでパスしている時点で、絶対に成績表上では一位にはなれないの。だから、テストの点数くらいでは一位を取りたい。……あのね、蒼兄は在籍中ずっと首席だったのよ。だからね、そこに近づきたいの。……今は打倒海斗くんなんだから!」
「翠葉ってさ……蒼樹さんに負けず劣らずブラコンで、実はすんごい負けず嫌いだよな?」
 言い終わる頃にはクスクスと笑っていた。
「だいたいにして、俺との点差なんて数点じゃん」
「されど数点っ!」
 指紋認証をパスすると自動ドアが開く。
「涼しい~……天国。俺、ちょっと寝るわ」
 海斗くんは言うなり床に転がった。
 私は窓際の壁にもたれるようにして床に座る。