光のもとでⅠ

 それとも――さっき河野くんが言っていたみたいに、あの先輩は序の口で、もっとひどいケースがあるのだろうか。
 想像をしてみるものの、具体的な想像はできなかった。
 ひどいもの、とはどの程度ひどいのだろう……。
 何せ、こういう体験は初めてなのだ。
 私たちが向かったのは特教棟近くにある自販機。
 ミネラルウォーターを二本買うと、ばったりツカサと出くわした。
 どうやら集計の進捗状況を見て出てきたらしい。
「翠」
 不機嫌な顔と声に呼ばれる。