光のもとでⅠ

「私、どうやっても成績表では学年一位になれないので、テストの点数だけは一位を目指したくて……」
 私は体育の授業をレポートで済ませているため、どれだけがんばったところで成績表上では一位を取れない。
 だから、せめてテストの順位だけは一位を目指したかった。
 蒼兄がいた場所を目標にしたい。
 テストをがんばるのは本当にそれだけの理由だった。
「だいたいにして、うちの学校で一位とか軽々しく口にしないでっ」
 激昂した先輩の手が高く上がり、叩かれると思った。
 次の瞬間――。
「御園生ちゃーんっ、どこー? バスケの試合応援に来るって言ってなかったー?」
 誰かわからないけど、きっとクラスメイト。
 バスケの試合を応援するために特教棟を出たところで先輩に声をかけられたのだ。