「リィ、ご飯の時間だけど……大丈夫? すごい冷や汗」
「……ん」
 痛みで休むことなんてできなかった。
 ただ、横になっているだけ……。
「碧さんから聞いた。生理痛、ひどいんだってね?」
 ……いた。ここにも普通に話す人が……。
「生姜湯は飲めたんだ? 良かった良かった」
 唯兄は空のマグカップを見て笑う。
 唯兄はお兄ちゃんだけど、まだこういう話は少し恥ずかしい。でも、ツカサ同様にあまりにも普通に話すから、ちょっと戸惑う。
「起きられそう?」
「ん……」
 身体を起こし、お腹を抱えたままリビングへ行くと栞さんもいた。
「昇が遅いときは夕飯にお邪魔させてね」
 そんなの全然お安いご用でお邪魔じゃない。
「おうどんだから、食べられる分だけ食べてお薬飲んじゃいなさい」
 お母さんに言われて食べ始めたけれど、お腹が痛いのと吐き気でほとんど食べることはできず、早々に薬を飲んでまた横になった。