「じゃ、連絡するだけして、迎えが来るまで休んでろ」
「ん……」
 ツカサは会話が終わればまたファイルに視線を落とす。
 お母さんに連絡をすると、すぐに来てくれるとのことだった。
 そして、十五分後には学校へ着いたとお母さんから連絡が入った。
 断ったんだけど、ツカサが昇降口まで送ってくれた。
「こんなに顔色の悪いやつをひとりで歩かせられるか」
 ことあるごとにそう言われている気がする。
 昇降口前にお母さんの車が止まっていて、私たちに気づくとお母さんは車を降りた。
「司くん、ありがとうね」
「いえ……。じゃ、気をつけるように」
 言うと、ツカサはすぐに踵を返した。