「うちの学校独自の性教育なんだけど、別に何か特別なことがあるわけじゃなくて……。ただ、生理痛でつらそうにしている女子がいたら保健室に連れていくとか、重いものを代わりに持ってくれるとか、そのくらいのことは誰もがしてくれるよ」
 茜先輩の言葉にびっくりした。
 あのね、茜先輩……。
 私が通っていた中学ではそんなこと絶対にあり得なかった。
 それはきっと高校でも変わらなかったと思う。
「でも、これはそうそうないけどねぇ……」
 と、桃華さんが羽根布団を指し、ツカサに視線を送る。と、ツカサはその視線をうるさいと薙ぎ払うように睨み返した。
「じゃ、私たち向こうに戻るけど、何かあったらまた呼んでね」
 そう言って、ふたりはみんなのもとへ戻った。
 お腹は痛いし気持ち悪い。そして、なんだか不安要素を含む知識を得た。
 この学校独自の性教育とはどのようなものなのだろうか。