「簾条、翠のかばん持ってきて」
「すぐ行くわ」
 本当にすぐに来てくれて、私の隣に膝をつく。
「薬……?」
 訊かれてコクリと頷く。
 かばんからピルケースを取り出し致命的なことに気づく。すると、
「待ってろ」
 言葉を残してツカサが目の前からいなくなった。
「あ、お水……。そういえばさっき全部飲んじゃったものね?」
 桃華さんもかばんの中を見て何が足りないのかがわかったようだった。
「大丈夫? すごく顔色悪いけど……」
「あの……いつもの痛みじゃなくて――生理痛」
 小さな声で伝える。
 桃華さんに話すのも少し恥ずかしかった。