「今年は標準的な金額だったから、紅葉祭予算総額は一千万の予定。今年度、学校側から生徒会に割り振られているのは一千百万――公立の場合は学園祭でひとりにかけられるのは三千円から多くても一万ないくらいって相場らしいから、そのあたりを考えるとうちは紅葉祭にかなり費用をかけられる勘定だな。それに、クラス費用としては別途生徒会から五万の支給がある。そのほかにも文化部に割り当てる支給額や、舞台設備にかける費用を調整するのが会計の仕事」
 どうしてこんなに高額なお金が動くのだろう。
 それに、どうしてツカサはこんなに冷静なのだろう。
 絶対におかしい……。
「翠、軍資金があっても出来上がるものがそれに見合わなければ失敗なんだ」
「え……?」
「つぎ込む金額に見合うかそれ以上のものを作らないといけない。それが生徒会と実行委員に課せられている。うちの学校は生徒会に入っているだけじゃ内申評価にはつながらない。そこで実績を残さないと評価はされない」
 どういう意味……?