桃華さんと見詰め合う状態が続き、
「カノンっ、なんのために夏休み中に自分の作品仕上げたのっ!?」
 希和ちゃんの喝が飛ぶ。
 そこに、
「はーい! 俺も七倉を推薦っ!」
 空太くんが声をあげるとそれを皮切りに、「私も!」「俺も!」とクラス中から後押しの声があがった。
「香乃、どうする?」
 もう一度桃華さんが尋ねると、
「……はいっっっ! 七倉香乃子、推薦されたけど立候補っ! 実行委員やりたいですっ」
 カタリ、と席を立ち教室全体を見渡すように振り向くと、みんなが了承の拍手を送った。 
「じゃ、続いて男子なんだけど――」
 桃華さんが教壇に戻ると、佐野くんは黒板に香乃子ちゃんの名前を記す。