それとも、本当に忙しくて痩せてしまったのだろうか……。
 そんなことを考えていると、
「今日、マンションに着く頃には静も来るよ」
「またゲストルームを使わせてもらえることにもお礼を言わなくちゃ……」
「それなんだけどさ」
 お父さんは鼻をポリポリと掻きながら話しだす。
「翠葉が高校を卒業するまで貸してもらう契約をしたんだ。で、もしかしたらそのまま買い取るかもしれん」
「え……?」
「あそこさ、父さんたちも学生結婚したときに住んでたんだ。思い出もいっぱいあるんだよね」
 言いながらにへら、と笑う。