夏休み最後の週はとても慌しく過ぎた。
 宿題の存在を佐野くんに教えてもらうまですっかり忘れていたからだ。
 佐野くんが帰ってからはひたすら宿題に明け暮れた。
 とはいえ、科目は苦手な古典と英語……。
 捗るなんて言葉からはほど遠い。
「そこ違う。活用の仕方、もう忘れたのか?」
 そこかしこをツカサに突っ込まれつつの時間だった。
 ツカサがいないときは蒼兄か唯兄、そして文系代表ともいえる桃華さんが来てくれた。
 そんなこんなの日々を過ごし、宿題は危うくも終わらせることができた。
 三日で苦手課目を二冊終わらせたのだから、少しくらいは褒めてくれる人がいてもいいと思う。