光のもとでⅠ

 彼女の発作は入院する前の状態と変わらなかった。
 病院にいるから、と安心出来るようなものではなかった。
 病院にいるのになぜ――どうしてこんな状態が続くっ!?
 数時間置きになんでこんな発作が起きるんだっ……。
 自分には何もできない――。
 それがつらかった。
 湊ちゃんに状態を訊けば、
「現状、循環器のほうは問題ないの。今は私も何もできないのよ」
 ここにも何もできずにヤキモキしている人間がいる。
 そう思うことで自分を保つことができたと思う。
「入院時にしていた治療を再開するって相馬が言ってたわ。専門医との調整もだいぶ前からやってるみたいだし――大丈夫よ」
 湊ちゃん自身も自分に言い聞かせるように口にした。